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どっか暖かいとこで猫と静かに海みて暮らしたい

ネットの海の枯れ珊瑚がふく泡...('A`).。。... 書いてることは全部嘘です

THEトロピカル上下・沖縄お試し移住九日目

沖縄お試し移住 他 映画みた

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4月18日 金曜日

 ガルシア・マルケス訃報のニュースを聞く。彼の短編集エレンディラを旅行中に読もうと思って持ってきていたので、おお、と思った。外は快晴。なので外出することにした。明日には那覇に戻る予定だ。今日は明るいうちに最後に見て回って、夕方には帰宅しよう、と僕は家を出た。しかし、あんなことになるとは、この時、誰も想像していなかったのです(Dr.コトー風味)

 

エレンディラ (ちくま文庫)

エレンディラ (ちくま文庫)

 

  とりあえず、興味があって行ってない場所をいくつか回ると決めた。イーフビーチなるものへ行ってみようと思っていたが、途中で看板を見つけたので矢印に従い、林道を通りアーラ浜へ。本当に海岸部に出るのかと疑うような山道を車で数分、美しい海岸に出た。うおう、と思いながら少し歩いてみる。訪れているのは、地元の観光サービスの人らしき一向を除いては僕一人。

 遠めに眺めていると、パラシュートみたいのを取り出して、しかも飛んで行った。すげえ。人間が中空を浮くという禁忌の絵に思わず魅入られて、徐々に距離をつめて見ていると「初心者なんで危ないですよ」とパラシュートをもったナイスミドルなおじさん。

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邪魔をしてはならぬと飛ぶ準備中とおぼしき人々に、声をかけてみる。そして、どうやら、今はスクール中でインストラクターの養成中のようだ。見ていると興味が湧いてどうしてもやってみたくなった。値段を聞いて、ぐぬぬと思ったが、明日帰るし、もうやる機会はないかもしれぬ、と思いやることにした。体重制限もあろうかと思い聞いたら、今日は風が強いから大丈夫ですよ、とのこと。いようし、と結局お願いすることにした。 

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 飛んでいく人を見ながら、下から見る景色と上から見える世界が違うことを考えた。下から見上げている僕の姿は、飛んでいる人にも見えているだろう。だが、飛んでいる人から見えてる景色は、僕には分からないよな、とか。二か月ほど前に、やりかけていたことなどを、ふと思い出す。やっぱ、そういう景色を見てみたいよな、とか。

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 飛んでいたスタッフの方が下りてきて、準備開始。とりあえず体を固定するベルト類に僕が入ることが出来れば、問題なしとのこと。風と天候にもよるが、体重が軽すぎてもダメで、重すぎても当然ダメだそうだ。ちなみに、僕は約20kgほど体重overである。話を聞いて、いや、無理じゃね?wwwと思ったが、そこはプロ。僕でも飛べました。すげえ。

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 一通り説明を受けて、あまり考える間もなく言われるままに動き出す。ことばを失う美しさ。写真を何枚か撮ったが、途中でやめた。写真はその一瞬を留めるのには最適だし、人間の知覚力を超えた美しさの表出でもある。が、僕のような素人がただパシャパシャやるのでは、そんな美しさは出ない。だから、写真は思うほど撮らなかった。ただ、眼前に広がるウソのような景色を見た。上空約200mほどまであがり、エンジンが止まって、しばらくは浮く。僕のようなデブが浮くだなんて!飛べない豚はただの(ry

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 降りた後、あまりの美しさに驚いたまま、どういうエンジンなのか、とかそういう話をスタッフの人から聞いた。が、ここで、僕が余計なことを言った。ガソリンでなく、原子力で動くと面白いんじゃね?まあ技術的には無理だけど、みたいなことを言った途端、スタッフの人があからさまに冷たくなった。いや、ごめんて…、その冗談やないすか...(´・ω・`)。その人にとって、地雷だったらしく、口数は多いのに言葉が足りない自らに、小さなため息をふきかけながら、僕を運んでくれたスタッフが下りてきた後、彼に御礼を伝えて僕は海岸を後にした。稀有の経験であった。

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  もう一つ行きたい場所があったので車を走らせる。畳石の海岸をもう一度みてウミガメ館を見ようと思ったのだ。ウミガメ館の展示は、カメが釣針やビニールを飲み込んで死んでしまうことを言うだけではなくて、その解剖の写真を載せるなど、なかなか良い展示であった。この手の展示物はガチでなくては伝わらない。久米島に来たなら、コースの一部として組み込むべき場所だと思う。

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 で、畳石海岸へ。時は干潮、遠浅の海がひたすらに砂浜を露わにしていた。ただ白く波打ちながら続く砂浜、その上を小さく光りながら走る波、遠くに横たわる海と空の藍と翠と蒼、青。しばらく浅瀬を歩きながら、こんなとこが世界にあるんだなと思った。ちなみに、久米島にはCMや映画の撮影で使われるはての浜という長い砂浜があるが、今回はそこへ行かなかった。また機会があるだろう。

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 そして事件は起きた。帰り道、トイレに行くか迷って、車を一度とめようとした。そして、駐車してあったバイクに当ててしまい、そのバイクがいわゆる立ちごけしたのだ。…ということで、警察登場。ゴールド免許だったが、これで終わりである。また大切に乗られていそうなバイクだったのに、傷をつけてしまった。本当に申し訳ない。ちなみに、僕は車を持っていないのに、友人の車でぶつけた結果、自腹でバイクを修理することになった。見積もり他は分からないが、相手方がとにかく常識と良識のある方で、こちらのことを考えて、冷静に応対してくださった。ただただ恐縮しつつ、高額になるであろう修理費に凹んだ。いや、凹んだのは相手方と大切なバイクなんだから、僕が凹んでも仕方ないんですけどね…。

 帰宅後、ただへこんでいるのも何なので、見晴らしの良い場所へいってみる。嘆きの壁で、自分の人生を嘆くコースが少し頭をよぎったが、目の前に広がるは赤い月と火星が映える夏の夜。ガルシア・マルケスの訃報を再び思い出す。南国の濃密な甘い草いきれ、日焼けして潮風に痛む腕、上空から見た島の全体、言葉を失う景色、誰かの大切なものを傷つけること、罪が贖われなくてはならない世界の構造、潮騒が赤い月から色を得て凪いでいる。そういえば。キリストが磔刑にかかった日を記念する日ではないか。古代中近東の乾いた風の記憶と旧約聖書イザヤ53章 苦難のしもべの湿度が南国の甘い密度に溶けていくような受難日の夜だった。