5月29日 火曜日 晴れ
かなり疲れているので研究室をさぼりたいのは山々であったが、本日は同一分野の先輩の発表なので期待をもって出席。
その前に、昨日できた原稿を、話の分かる友人に見せて感想を聞きたいと思って、昼を一緒に食べた。昨年11月かそれくらいに結婚した優秀な研究者である。英独仏伊、ラテン、ギリシア、ヘブライは当然で、さらにロマンス諸語もでき、かといって知性が鈍い人ではない。
で、見せた結果「自分がやってみたいと憧れていたものを見せられました」と言ってくれた。この上ない称賛であり、うれしい限りだった。思わずぼくも、本当は彼のように語学に堪能な鋭い知性をもちたいと思っているのだ、と伝え、笑いあった。結局、ないものねだりである。
ぼくが信頼する読み手の一人ではあるが、彼の評価が良かったのは吉兆であろう。
研究発表まで少々時間があったので、ベンチでアニメ・ゴジラ決戦起動増殖都市の前日譚小説を読み進める。楽しい。
研究発表は、本来ならばぼくがやるべき内容まで先輩が踏み込んでおられ、大変勉強になった。参考になり有難いばかりである。
帰宅後、17時くらいから近所の喫茶店にて、最終校了作業。合計100時間は話しあってきただろう。良い編集者が、もっとも良い読者であり、もっとも善い批判者として、テクストの可能性を最大限に引き出してくれるというのは事実である。今回、大きな一つの収穫は、そのような編集者と出会い、そのような経験をしたことにある。
20時頃に出て、一度もどり、最後の直し。21時32分、ついに校了した。深夜、夕食を食べなかったので、腹がへりラーメンへ行って、その後、隣の研究室によって雑談のち帰宅。少し雨が降りそうである。少し小説を読んで4時過ぎに寝た。