2月27日 水曜日 くもり
昼前に起床。14時過ぎまで記事の更新作業など仕事。税務署に開業届にいかねばならないが、タイミングがよく分からない。謎の荷物が着弾。何も頼んでいないと思っていたら、喫茶店仲間より『比較宗教学の誕生 宗教・神話・仏教』が届く。言わずとしれたF.M.ミュラーの名著である。英語でよめばいいのだが、まさか贈ってくれるとは...。かなり驚いた。
さっそく解説文を読んでいたら、学問論と当該分野の系譜について記述があり合点した。そうそう、これを知りたかったんだよ。本当にありがたい。
十九世紀のミュラーら自然神話学派を生み出したパラダイムとは、①ダーウィンの生物学を源流とする進化論および起源論、②比較言語学に由来する語源の過度の重視の二つであった。それが、古代ギリシア文明の後継者と任じていたヴィクトリア朝英国人のギリシア擁護、ギリシア神話の品位を維持したいと願う雰囲気に合致して、人気を獲得したのである。そしてそこには自分の国の昔話や童謡の品位の問題も係わっていたらしい。
F.M.ミュラー『比較宗教学の誕生 宗教・神話・仏教』(国書刊行会、2014)松村一男解説、592頁
英国がローマの後継者ではなくギリシアの後継者たらんとしたのは興味深い話である。ちょっと旧日本軍がムーの継承者たらんとしたのにも似ている。熟読したい。このように研究を励まして頂くと、何かしら責任のようなものを感じる。責任というと言い過ぎだが、他の人がしないことをするようになってしまったがゆえの気分である。
16時頃、畏友作家氏が入院するので連絡したら、今から会わないかということになり、急ぎ贔屓の喫茶店へ。明日から検査入院だそうで心配である。久しぶりに祈る心持となった。
終電前あたりに帰宅。明日が〆切の仕事があるので、着手。とくに面白くもないが、払いだけは良い仕事なので、今まででは最速の2時間で終えた。珈琲をのみ夜に仕事をしたせいで眠くはならず4時まで起きていた。