3月31日 土曜日 快晴
本日、サークル日。電車にのり、職場への道すがら、贔屓の喫茶店にてネット仲間たちとの邂逅である。春の陽気が車窓を流れていく。「徐に目を移しつつ初桜」、この歌階を高浜虚子がどのような状況で誰に向けたのか、ぼくは知らない。気がつけば桜の季節となり、今年の桜は4月を待たず満開、この土日がピークである。地下鉄の改札も花見客と思われる観光客を膨大な数、吐き出していた。きっと次の雨風で、水を含んで淡く散ってしまうのだろうから仕方ない。
桜の散り際と雨という情景には、なんとなく南米の風情がある。ガルシア・マルケスの訳者として有名な鼓直氏が編集した『ラテンアメリカ怪談集』収録の、アルゼンチン人作家ルゴネスの『火の雨』(1906年)が思い出される。もちろん南半球の抜けるような蒼穹から降り注ぐ赤灼のつぶでと、雨に濡れてコンクリートに張り付く来い桜色とでは随分とちがうわけだが。
春の陽気と空の色のせいかもしれない。魔法が使えるならば、毎年、日本中の山を春に一週間だけ、桜色に染めるという仕組みに変えてみたい。そうすれば観光資源ともなるだろう。そんなことを車窓の奥から、こちらを悠然と眺める山々に思っていたら、乗り換えの駅となった。
贔屓の喫茶店にて新クロワッサンを堪能し、6名の参加者と来期アニメなど雑談のち、仕事へ。職場用の買い出し先スーパーで、一度床に落としたトングを元に戻す老人を目撃。以前にも同じ店で似た事案をみた。やばE…。
何をつくるか迷ったが、楽かつ健康的なので筑前煮again。野菜炒めなどを作った。パプリカの黄色はよい。あと小松菜が安かった。しかし気がつけば3月も終わり、2018年度の開幕である。