どっか暖かいとこで猫と静かに海みて暮らしたい

ネットの海の枯れ珊瑚がふく泡...('A`).。。... 書いてることは全部嘘です

イカスミおむ、突貫工事、Discovery3-4みた

f:id:timelost:20201107010154j:plain

11月6日 金曜日 晴れ

 8時半に一度おきて二度寝。どうにも眠い。なぜか原付で親と旅行をしており、関西には船で戻る、として原付をとりに降りたが、頭の中の地図と目の前の景色が違い、不法侵入になりそうな寺の中を通って、ひたすら山を降りて、忍者のようなスピードで原付を目指すという謎の夢をみた。

 10時半過ぎまでブログ更新。いまだ米国大統領選をやっているようなので、なんとまあ、大荒れだなと思う。まあ荒れるくらいが民主主義としては正しいのかもしれない。我が国とは大違いである。

 11時には出発して贔屓の喫茶店へ。行きしな、友人司祭と柳田國男『青年と学問』についてのチャットを往復。仕事の合間にペラペラとめくっては感動しているが、大塚英志も本書について述べているらしいので、それも読まなくてはならない。

 個人的には本書は、柳田の国家論≒教育論≒学問論≒「民俗学」理解≒政治体制の基礎的見解がコンパクトにまとまっているように思う。まだ冒頭しか読めていないが、素人なりに感じるのは、本書で示される「日本」が、日本人が目指した最も良質なものの一つだったことだ。

 友人司祭曰く、柳田の問題点は「日本」を、自分の理想とする「連続」として捉えようとし、起源神話を探した求めたことにある。その模索もアプローチも良いが、どうしても起源神話を求めて天皇制に寄与してしまうあたりに問題がある、と。また柳田ら含む、戦前の旧帝大の学的貯金がいよいよ尽きて、1970年代には日本思想も文学も死滅した、とのこと。

 一方、柳田に対して鈴木大拙は、天皇制を意識してか、「日本の思想」の足場を浄土や禅に置いた。結果、梅原猛らあたりが上代からあると指摘することになった、と。しかし、鈴木大拙の研究は、戦中、戦後日本の問題を熟慮した上のものだ、と。

 なるほど、たしかにそうかもしれない。事実として「近代日本」を描いた輪郭は「天皇制」にほかならなかった。これは一般的には「近代日本」の宿痾とも言えるのだろう。個人的には、祝福と呪いは往々にして背中合わせのものだから、その祝福の部分をキリスト教の固有性との関係から解きほぐしてみたいと思っている。

 同じことを考える人もいそうであるが、柳田國男と民俗学の周辺における批判的継承とその蓄積は、ぼくが研究する「日本語キリスト教」にとって、かなり示唆に富む内容となっている。

 ちなみに、ぼくは「起源神話を求めること」自体は悪でないと考える。ただ、日本の場合、その求めと敗戦が結び付いているので、如何ともし難い渋さがある。この苦みは、もう100年立たなければ解消できないだろう。

 また、梅原や山折について言えば、キリスト教については信じられないほど雑な印象しか述べない、という個人的印象を持っている。結果、彼らの本業にも同様の疑いをもってしまい、ついぞ手に取ることがないまま来てしまった。もっとも、ぼくも出版業界に片足を置いた人間でもあるので、売れるエッセイストに学的正確さなど不要、というのもよく理解できる。

 友人司祭との話題は、この後、フランスの話へと移行する。曰く、フランスは歴史と解消・吸収した「理性」を重視し過ぎて、現実と折り合いがつかなくなっている、と。差別や搾取を止めるために平等主義を推し進めた結果、噴出した庶民の思いによって差別が進む悪循環に陥っている。そんな隣国フランスに比較して、階級社会を維持しながら内戦し、そこへ女王が「ケンカはやめて~♪ 私のために争わないで~♪」とくる英国の方が、もしかするとバランスが良いのではないか、と。

 ぼくは、この話から「あぁ、なるほどなぁ…」と思った。民主主義を召喚するには、何か代償が必要なのだ。英国が民主主義を召喚するために支払った代償は「身分制の保持」なのだ。フランスでは「平等」という有り得ない怪物。日本では「天皇制」という人身御供によって、民主主義を召喚した。要するに、キリストが十字架にかかって人類のために死んだ、だから人類みな兄弟姉妹、仲良くしろや!方式の国家版である。どうでも良いが、これがマンガ『鋼の錬金術師』の等価交換に値するか否かは不明だ。何と何が等価だったのか。

 いま、柳田の『青年と学問』のころから百年近くが経とうとしている。彼の世代がまなざした未来の日本、ぼくらの今は、果たして、彼らの瞳にはどのように映るのか。ぼくには判らない。ただ、ぼくは、柳田が思うほど、人は賢くないのではないか、とぼんやりと思った。

 イカスミ・オムライスなる珍しいものを食べて、予定より少し遅くなり16時には帰宅。「地獄」をテーマに作られた料理らしいが、たしかに見た目も地獄みがある。コンビニで夕食を買って思うところをまとめて、18時には作業開始。22時半には突貫リテイクをなんとか終わらせて、ディスカバリー3第4話を視聴。サルー船長の苦労がしのばれる会であった。共生生物が出てきたので、ダックスさんが気になってしまう。

 1時半までには就寝。明日は宿直である。

f:id:timelost:20201107010330j:plain